先週か先々週あたりには飛来していたのだと思うけど、今日ようやく今年初めて広瀬川で白鳥を見た。
仙台市内を流れる広瀬川では冬になると、あたりまえのように白鳥がやって来る。宮城県は渡り鳥にとって格好の越冬地らしく、毎年ものすごい数のガン・カモがやって来る。県の北部の伊豆沼とかが有名で、ラムサール条約にも登録されている。日本に来るガン・カモの8割がいるそうだからよほど居心地がいいのだろう。
ガン・カモだけでなく白鳥もやって来る。昼間に県北を新幹線で通過したり、車で走っていると、刈り取りの終わった田んぼの中に白鳥がたくさんいて何かをついばんでいるのが見える。群れで飛んでいることもある。それも結構な数がいる。
東京から引っ越したばかりのころに、登米市(とめし)の迫川(はさまがわ)のあたりを車で走っていて、橋を渡ると白鳥がたくさんいるのを見かけ、びっくりして、「おおすげー。白鳥がおる。」と思ってわざわざ土手に車を停めて写真をたくさん撮った記憶がある。
ところが宮城県では白鳥はめずらしくもなんともなく、迫川だけでなくあちこちに普通にいる。
しかも仙台市内にもいる。
広瀬川はごくごく普通の都市河川で、護岸と河川敷が完全に整備され、どこの街にもあるように河川空間では散歩やランニングしたり、自転車で走ったりできるし、下流の河川敷が広いところには野球のグラウンドなどもある(さすがにゴルフ場はない)。
そのような都市の一部を構成する広瀬川に白鳥がやって来る。
広瀬川に来る白鳥は、いったんシベリアから伊豆沼あたりに来て、そこをねぐらにして仙台に通っているのかというとそうでもないらしい。夜中にもいる気配がするし。広瀬川を越冬地と決めた個体はそのまま住み着いているらしい。伊豆沼と仙台は40〜50キロは離れているので、さすがに移動はしてないんじゃないか、というのはChatGPTのご意見。
例年白鳥がやって来る場所のひとつは愛宕橋から広瀬橋までの間。距離にして約1.3キロ。間に宮沢橋という架け替え中の橋がある。
愛宕橋の下流には愛宕堰が、宮沢橋の少し上流には郡山堰がある。郡山堰より下流から広瀬橋まで堰はないが、橋の下が瀬になっており、瀬の手前に流れがゆっくりになる箇所がある。
10年くらい前は郡山堰と広瀬橋直下の瀬の間に集中して白鳥がいた(気がする)。
このエリアは左岸も右岸も川へのアクセスが容易で、人がたくさんやって来る。そしてシーズン中はみんな何かエサをやっている。「白鳥にエサをやらないでください」みたいな案内はなく、「白鳥にエサをやるのはまずいことなのではないか」みたいな議論も聞いたことがない。やり放題となっている。
この広瀬橋の瀬の手前のエリアが白鳥にとってもメインなのかと思っていたが、数年前から、上流の郡山堰の手前にも別のグループがいることが増えてきた。郡山堰を挟んで下流(広瀬橋手前)と上流とそれぞれグループがいる。
いつも白鳥のいるエリアが、郡山堰を挟んで下流(広瀬橋手前)と上流の2か所になった。当然2グループがいることになる。グループが増えて、全体の個体数も増えているのではと思うのだが、広瀬川にくる白鳥の数の調査や統計のようなものはどうもないようで、実際に増えているというようなデータは見当たらない。
適当にしか数えていないが、ひとグループに20羽くらいいるのであわせると40〜50羽はいることになる。
堰の手前はもちろん流れがゆっくりになる。堰の下流の広瀬橋手前も流れがゆっくりになっている。水深もほどほどでエサもそれなりにあって(しかも人間がやって来てはエサをくれる)、このエリアは越冬するのに都合がいいということなのだろうか。



